平成の最後に、ちょっと変わった芝居が登場する。4月18日(木)から21日(日)にかけて、参宮橋トランスミッションにおいて、「モーレツカンパニー」と「CINEMACT」による初のユニットLIVE『LET’S CINEMA』が上演される。モーレツカンパニーのたかはCさんとCINEMACTの森山翔悟さんにお話を伺うことができた。どのような作品になるのか存分に語っていただいた。
――今回は初のユニットLIVEということですが、どういう企画なのでしょうか?
たかはC:我々は、モーレツカンパニーという企画・団体ユニットですが、以前森山くんに出演していただいたことがあって、つながりがありました。森山くんが所属する事務所のCINEMACTさんとモーレツカンパニーのユニットで、モーレツカンパニーから5人、CINEMACTさんから4人の出演者で上演します。作品はオムニバス形式で、短編8本を上演します。長くても1本10分~15分ぐらいで、短いものですと5分ぐらいのものもあります。
森山:ジャンルも、コメディー、サスペンス、ヒューマンドラマとさまざまですね。
――1本目から8本目まで、話がつながっているのでしょうか?
たかはC:そういうのをやりたかったのですけれど、できなかったですね(笑)。一人の作家で脚本を書けば可能なのですが、今回4人の作家が脚本を書いているので、それぞれの色を出していこうという方向にしました。
――森山さんは8本すべてに出演されるのですか?
森山:僕は8本中6本に出演します。
――8本すべて出演される俳優さんはいらっしゃるのですか?
たかはC:それはいないですね。森山くんが一番多くて、それぞれ4~5本が平均です。
――作品で見どころはどういうところですか?
森山:ジャンルがさまざまだというところが面白いところだと思います。
――ヒューマンドラマもあるということですが、ホロっとくる話もあるのですか?
たかはC:ホロっときますね(笑)。あとは恋愛ものもあります。
――芝居をあまり観ない人も、気軽に観ることができそうですか?
たかはC:そうですね。作品によっては好みじゃなくても、5分後にやる次の作品は好みだということもあるので。もちろん全部観ていただきたいですけれど。
森山:(笑)
たかはC:僕が見どころだと思うのは、演者さんが何役もやるところです。例えば6本に出演するのなら6役やるわけで、一人で6キャラクターという色の違う役を演じる役者の引き出しは見どころだと思います。
森山:明らかに違う役ができるので、やっている側もすごく面白いですね。
――言える範囲で構いませんので、どういう役があるか教えていただけますか?
森山:変態からバカまで……(笑)
たかはC:変わらないよ(笑)。森山くんの場合、すごくハイテンションの役もあれば、いい人というキャラクターもあるので、180度キャラクターが変わりますね。
森山:それぞれの作品で、僕だと気付いてもらえないほうが「よしっ!」って感じです。「またあいつだ」ではなく、違う役者だと思ってもらえると成功ですね。
――どの役が一番好きですか?
森山:ハイテンションな役です。めっちゃ疲れますけど、その役がハマっているのだと思います。
――日頃のご自分と似ているのでしょうか?
森山:……って言われますね(笑)。
――芝居をよく観る人とあまり観ない人は、それぞれどのように楽しめばいいと思いますか?
たかはC:芝居をよく観る人はオムニバスを軽視しがちなのですが、それを払拭するパワーを今回は見せたいと思っています。
森山:オムニバスって短いし物足りないと思われがちですが、それを払拭するパワーがあれば「これもアリだな!」って思ってもらえるんじゃないかと思って、それを目標にしたいです。
芝居をあまり観ない人は、敷居が高いと感じて映画のほうが観に行きやすいと感じていると思います。今回「LET’S CINEMA」とタイトルをつけたのは、モーレツのレツとCINEMACTのシネマをかけているのと、映画館へ行く感じで気軽に来てほしいという2つの思いが込められています。
たかはC:いろいろなジャンルの芝居をやるので、ぜひ気軽に来てほしいですね。
森山:きっと好きなジャンルが一つはあると思います。
――チラシも独特ですが、どんなイメージで作ったのですか?
森山:僕が持っている映画館のイメージは、かっこいいポスターがあるということです。。「部屋に貼りたいな」「ちょっとシャレてるな」と思われるようなものをイメージしました。たかはC:このチラシのように、トイレに入って新聞を読んでいる「ながら見」ぐらいの気軽さは、今回の公演にあるかもしれないです。
――短時間で演じる難しさもあると思いますし、休憩なしで8本を上演するわけですから、気持ちの切り替えも大変なのかと思いますが、いかがですか?
森山:まだ荒通しをしていないので、続けて演じてみて自分の気持ちをどう区切って次にいこうと思えるかは分からないですけど、たぶん衣装を変えたらスイッチが入ると思います。僕は見た目から入るので、その役の衣装を着れば、姿勢や歩き方がしっくりくると思います。
芝居は相手とのセッションなので、演じていくうちに自分一人だけでなく、出演者皆さんの力を借りて自動的にその役に入っていくことができると思います。
――たかはCさんは8本違う作品を演出されます。こちらも大変だと思いますが、いかがですか?
たかはC:全体を通してスピード感や感情の受け方とか、1本の作品を演出するよりも、ジェットコースターのような緩急を作れると思っています。8本の作品をどの順番で上演するのか決めるのも楽しかったですし、いろいろな感情をゆさぶることができればいいなと思っています。
――上演する順番はあっさり決まりましたか?
たかはC:決まらなかったですね。役者の衣装の着替えもありますから、そういうことも考えると結構悩みました。でもいい順番になったと思います。
――脚本は、たかはCさんの他に3名が手掛け、女性もいらっしゃいます。それぞれ特徴はありますか?
たかはC:男性には書けない内容を書いてほしいと女性の脚本家にお願いしたので、そういう内容になっていると思います。登場人物が女性3人だけで、女性の闇を見せる話になっています。ジャンルとしては「昼ドラ」かな? 修羅場も見せますが、明るい作品なんですよ。
――他の方が書いた脚本を演出するというのは、いかがでしたか?
たかはC:楽しかったです。普段は自分で脚本を書いているので素直に伝えられるのですが、他の人が書いた脚本は、書いた人と一緒に読み込んで、それを共有していきます。僕とは違う意見もあるので「そうかもしれないな」というディスカッションが楽しかったですね。
――初日に向けて、意気込みをお聞かせください。
森山:今回は出演者みんなが何かしらチャレンジをしていて、たかはCさんに関していえば他の人の脚本を演出するのは初めてです。僕も6役を演じることはチャレンジですし、それが良い感じでできたらいい作品になるんじゃないかと思います。
たかはC:本来はユニット公演という言い方でいいのですが、あえて「ユニットLIVE」としたのは、ライブ感やドキドキ感があると思ったからです。2名初舞台の俳優もいますし(糸柳澄人さん・小笠原あおさん)気合が入っていると思います。
――観にいらっしゃる方にメッセージをお願いします。
たかはC:観に来てくださる方には、ただ楽しんでほしいです。「なんか楽しかったなあ」という感じで、「あそこはああだよね」という読後感はあまりないと思いますから(笑)。でも洋服屋さんへ行っていろいろな服を見るとテンションが上がるじゃないですか。そんな感じです。おしゃれな舞台なので、気分は良くなりますよ!
森山:本当にその通りで、BGMじゃないですけれど、暗い気持ちが明るくなる感じがあると思います。「よし!舞台を観に行こう!」というよりは「ちょっと寄ってく?」という気軽な感じで来てもらえたらうれしいです。
取材・文:秋乃 麻桔
公演名:モーレツカンパニー×CINEMACT 『LET’S CINEMA』
脚本:たかはC 鈴川朋治 佐々木加奈子 中沢徳人
演出:たかはC
出演:
【モーレツカンパニー】
上田理絵 野村浩二(江戸むらさき) 中沢徳人 糸柳澄人 黒木美結
【CINEMACT】
森山翔悟 明美里 SARA 小笠原あお
公演日程:2019年4月18日(木)~21日(日)
会場:参宮橋トランスミッション
東京都渋谷区代々木4-50-8 参宮橋ゲストハウスB1
チケット料金:全席自由席 前売り3,800円 当日4,500円
チケット予約フォーム
http://www.quartet-online.net/ticket/letscinema2019
問い合わせ
letscinemainfo@gmail.com