ブロードウェイで活躍し、米国のポピュラー音楽史に足跡を残したソングライターにスポットを当てる「ブロードウェイ・ショウケース」シリーズ。第3弾となるのがミュージカル『Red Hot and COLE』だ。もともとこの作品は20人ほどのキャストで演じていたそうだが、本公演では総勢8名で上演され、一人の役者が複数の役を演じるところも大きな見どころだ。
その中でも今回6役を演じる矢田悠祐さんと木内健人さんにインタビューをすることができた。「僕たちは6役チーム!」と明るく語る二人は、2017年12月の舞台で共演している。再度共演が決まり、同世代の彼らがお互いについてどう思っているか、そして作品の魅力についても語っていただいた。
――今回の作品に出演が決まった時の気持ちをお聞かせください。
矢田:以前このシリーズのVol.2『ロジャース/ハート』に作詞家のハート役で出演させていただきました。その時に作曲家のロジャースのことをあまり知らなかったんですが、初めて聞いた曲の中にたくさんいい曲があって、それを歌わせてもらったのがうれしかったんです。
今回出演が決まって、また新しい知らない曲がいっぱいあるだろうと思うので、いい曲を知ることができるのがうれしいです。前回は通しでロレンツ・ハートの役を演じましたが、今回はいろいろな役ができることも楽しみだと思いました。
木内:このシリーズは初参加ですが、以前コール・ポーターの代表作でもある『エニシング・ゴーズ』というミュージカルに出演したことがあります。コール・ポーターの楽曲は素晴らしいのですごく楽しみですし、今回演出の小林香さんと初めてご一緒させていただきますが、香さんが持っている世界観と素晴らしいキャストの皆さんとの間にどんな化学反応が起こっていくのかということも楽しみです。
――お二人は『ドッグファイト』以来の共演だと思いますが、再度共演が決まった時はどう感じましたか?
矢田:うれしかったですね。前回の舞台でもいろいろ話を聞いてもらったりしたので、歳も近いし、また楽しくできたらいいなと(笑)。
木内:ありがとう(笑)。『ドッグファイト』の時は、男性陣の海兵隊員役が6人いたんですけれど、僕と矢田くん以外はみんな初演から出演していたメンバーだったんです。僕ら2人だけ……
矢田:迷える子羊みたいな。
木内:そうそう。だから「頑張ろうな」と言いながら一緒に帰ったりして、不安な時に一緒にいたから心強かったです。今回『ドッグファイト』で共演した屋良さんもいらっしゃるし矢田くんもいてくれるから、ありがたいと思いました。
――共演者の皆さんに関してはいかがですか?
矢田:自分が最年少という舞台は今回が初めてなんですよ。皆さんもちろん歌がうまいですし、稽古が一番勉強できるところやなといつも思うんで、楽しいです。
木内:香さんから、史実に基づいている人でも、あまり縛られずに自分が思うようにやってみてほしいという話があって自由度が高い演出だと思っています。共演の先輩方は百戦錬磨なので、「おっ、そんなことしますか!さすがやわ……」みたいなところがたくさんあるので毎日刺激的です。
――特に刺激を受けている方はいらっしゃいますか?
木内:吉沢(梨絵)さんが面白すぎて……。ネタバレになってしまうので詳しくは言えませんが(笑)。
矢田:本当にいろいろな引き出しあるなあと思いましたね(笑)。
木内:あと(鈴木)壮麻さんが、脚本を読み込んで「僕はこう思うんだけど」と疑問点をディスカッションしてくださるんです。本当に僕らとしてはありがたいところでもありますし、勉強になることが多いです。
――壮麻さんとディスカッションするのは恐縮してしまいそうですね。
木内:そこは壮麻さんのすごさなのか、フランクに僕らの意見を引き出してくださるので、気兼ねなくお話できます。この作品でいろいろな先輩から勉強させてもらって、ポケットをパンパンにしたいと思います(笑)。
――お二人はコール・ポーターの曲で一番好きな曲は何ですか?
矢田:僕は「Wake Up and Dream」が好きですね。物語でいったら最後のほうでコールが歳老いたあとに歌う曲なんですけれど、すごくきれいな旋律なんです。切なかったりちょっと懐かしい気持ちになったり……。自分の曲以外で歌ってみたい曲はどれ? と言われたらこの曲ですね。素敵やわ……。
木内:僕は今回使われている曲の中だったら「Ridinʼhigh」です。すごくかっこいい曲です。今回使われていない曲であれば『エニシング・ゴーズ』の中に出てくる「イージー・トゥー・ラブ」がすごく好きです。
――今回の舞台への意気込みを含めて、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
矢田:普段僕の作品を観に来られている方は、僕と同じようにこの年代の楽曲に詳しくない人もいると思いますが、そういう方たちが観にこられても純粋に楽曲がいいし、ショーとしても楽しいものに仕上がると思うので気負わず観に来てほしいなと思います。
また僕は6役演じますが一つの舞台でいろいろな役をやるのは初めてで、 そこをつめて深めていければいいなと思うので、そこを楽しみにしていてほしいです。実在の人物だからと言って本人像にとらわれなくてもいいので、ある程度自分でかみ砕いて演じようかと思っています。
木内:コール・ポーターの曲は歌詞が韻を踏んでいて、クラシックやジャズのテイストが入ったエンターテインメント性に富んだ楽曲がすごく多いので、当時はセンセーショナルだったと思います。今聴いても古き良き時代のいい空気感を醸し出している楽曲です。そういう曲に触れる機会は少なくなっていると思うので、ぜひ観に来ていただいて楽しんでもらいたいです。
僕は少し英語が分かるので原曲を知っているのですが、今回訳詞を手掛けた高橋亜子さんがさすがだなと思っています。どうしても韻を踏んでいるところは日本語に訳すと難しくなってしまうのですが、ものすごくきれいに韻を踏んでいますし、きちんと話に沿った歌詞をつけてくださっています。耳が豊かになるというか、聞いていて幸せな気持ちになるのでぜひ味わっていただきたいです。ダンスもあって見どころはたくさんですし、僕自身も6役をやりますので、視覚的にも聴覚的にもすごく楽しい作品になると思います。楽しみにしていてください。
取材・文:咲田 真菜
撮影:川端 一生
【作品名】ミュージカル『Red Hot and COLE』
【翻訳・演出】小林香
【訳詞】高橋亜子 【音楽監督】岩崎廉 【振付】加賀谷一肇
【出演】屋良朝幸/
矢田悠祐 吉沢梨絵/彩乃かなみ 木内健人 真瀬はるか/彩吹真央・鈴木壮麻
【演奏】堀倉彰(キーボード) 深水洋(ドラム) 三枝俊治(ベース)
日程:2019年3月1日(金)~17日(日)
会場:銀座 博品館劇場
料金(全席指定・税込)
9,000円
公式ウェブサイトはこちら
https://www.stagegate.jp/stagegate/performance/2019/red_hot_and_cole/index.html
【チケットに関するお問合せ】
チケットスペース 03-3234-9999
【チケット取り扱い】
チケットぴあ
0570-02-9999(Pコード:491-203)
http://w.pia.jp/t/rhac(チケットぴあ店舗、セブン-イレブンで直接販売)
ローソンチケット
0570-000-407(Lコード:32154)
https://l-tike.com/redhotandCOLE/(ローソン、ミニストップ店内Loppiで直接販売)
イープラス
https://eplus.jp/red_hot_cole/(ファミリーマート店内Famiポートで直接販売)
【大阪】2019年3月21日(木・祝) 森ノ宮ピロティホール
【静岡】2019年3月24日(日) 富士市文化会館ロゼシアター 大ホール
【愛知】2019年3月27日(水) 刈谷市総合文化センターアイリス 大ホール