世界大恐慌後の米国・ニューヨークの孤児院の少女を描いたミュージカル『アニー』。明るくはつらつとしたキャラクターアニーをめぐる物語は、1978年に初演。その後1986年より日本テレビにより毎年上演されている人気の作品だ。「tomorrow」をはじめとする美しい楽曲も魅力的で、『アニー』をきっかけにミュージカルが好きになったという人も少なくないだろう。
2019年4月27日(土)から5月13日(月)、平成から新元号の令和に変わるその時に、東京・新国立劇場 中劇場において34回目となる『アニー』が上演される。
今回は、主人公アニーにとってキーパーソンとなるウォーバックスを演じる藤本隆宏さんにお話を伺うことができた。3年連続ウォーバックスを演じる藤本さんがどのように役に挑んでいるのか、語っていただいた。
――『アニー』で、3年連続ウォーバックス役を演じられることになりました。今の心境をお聞かせください。
実は2017年に『アニー』への出演が決まった時は、10年ぶりのミュージカル出演でした。ミュージカルに出演をしていなかった10年間は映像にチャレンジしていましたから、その経験を活かしたい気持ちがあって、1年目は手探り状態でした。2年目は1年目を超える気持ちでやらせていただきましたが、今年3年目でどうしようかと……(笑)。ただ、これまでとは変えていかなければいけないという気持ちはあります。
――今は少し悩んでいる状態なのでしょうか?
そうですね。昨年はちょうど3月に三谷(幸喜)さんの舞台をやらせていただいて、そのまま稽古に入っていったので勢いがあったんですよ。今年は12月に『魔界転生』という舞台に出演して3カ月ブランクがありましたから、あえて舞台のことを忘れようとしていた感覚があります。
実は今日から立ち稽古なのですが、どうやって演じていこうかと思っているところです。もう1回台本を見直してみると、自分でしっかり感じてしゃべらなくてはいけないせりふが数多くあります。まずはそれを克服したいというのが一つあります。
そしてもう一つは歌です。いまだに歌うのは恥ずかしいのですが、しっかり、照れずに、歌いたいなと思っています。
――歌うことが恥ずかしいと感じられているとは、びっくりです。
やはり 10年間ミュージカルに出演していませんでしたし、そんなにソロをたくさん歌ってきたわけではないので、歌に対する不安はありました。ただ、3年連続でウォーバックスをやらせていただけるということは、最低ラインはクリアできているのかなという思いもあるので、しっかり音程やリズムに対して敏感になりながら臨んでいきたいという気持ちです。
――藤本さんが10年間ミュージカルの舞台で出ていらっしゃらなかったというのは意外でした。
2008年のミュージカル『DRACULA~ドラキュラ伝説』が最後でした。その後も舞台出演の話はあったのですが、映像の仕事がすでに決まっていましたので、そちらが活動の中心になっていきました。そうしたことから歌やミュージカルに対して自信がなくなっていた部分はありました。
ですので『アニー』のお話をいただいた時も、1カ月半ぐらいどうしようかと迷いに迷いました。でも結果的に出演させていただいたらすごくいい作品で、今では「これ、離したくない」と思う程になっています。
――藤本さんはウォーバックスのイメージにぴったりです。
子どもを包み込むとか豪快さという意味でも、ウォーバックスは体が大きい人というイメージがあるみたいですね。
――今、子どもたちを包み込むというお話がありましたが、アニーをはじめとする子役の皆さんとは、どのようにコミュニケーションをとられていますか?
昔から今でも、水泳を教える仕事をやらせていただいていて、その際に幼稚園、小学生、中学生の子どもたちも教えています。私は子どもがすごく好きですし、その時の経験もあってオープンに接することができていると思いますので仲良くできていると思います。
――ダンスキッズも合わせると、かなりの人数の子どもたちが稽古場にいることになりますが、騒がしくなることもあるのでは?
何十年も『アニー』を守ってくださっているスタッフの方々がいて、ノウハウを分かっていらっしゃいます。厳しくするところは厳しく、優しくするところは優しくする。そういうふうにきちんとできているので、私自身はやることはそんなにないみたいです(笑)。
ただウォーバックスという役の目線で子どもたちは見てくれる部分があります。その期待に応えられるように、なるべく凛として、威厳をもっていられるようにしています。
――『アニー』では、子どもたちと同様に注目されるのが、ワンちゃんのサンディーです。藤本さんはイヌがお好きだと聞きましたが、今回のサンディーは小型犬になるのですね!
イヌは大好きですね。昨年からサンディーに触れるのはアニーだけになってしまったので、少し残念な気持ちでいるのですが、今年の『アニー』は、サンディーも見どころの一つです。これまでは大きいイヌが演じてきましたが、今年のサンディーは今までよりも小さくなるようで、新鮮な印象になるかもしれませんね。
――ウォーバックスはアニーにとって魔法使いのような存在だと思います。そのような重要な役を演じるにあたって、何か思いはありますか?
いや、実はあんまり考えていないですね。確かにウォーバックスはアニーにとって魔法使いですけれども、ウォーバックス自身はアニーのほうが魔法使いだと思っているのです。アニーと出会うことでウォーバックスも変わっていきますから。
顔合わせの日に読み合わせをしたのですが、その場で(演出の)山田さんが、最初から優しい大人ではよくないとおっしゃいました。大人が変わる様をお客さんも観ていらっしゃると思うので、違いを出していかなければいけないと思っています。アニーの力でウォーバックスがどう変わるか、そこがこの作品の大きな見どころの一つなので大事にしていきたいです。
――『アニー』を観に来るファンの皆さんにメッセージをお願いします。
リニューアルした『アニー』を観てない方もたくさんいると思います。もちろん昔の『アニー』も大人が楽しめる作品でしたが、よりいっそう原作に忠実に、1980年代にブロードウェイで上演された『アニー』をそのまま日本語に訳して披露しているので、ブロードウェイミュージカルを観に来る感覚で来てほしいという気持ちがあります。もはや子ども向けの作品ではないと思いますので、新しくなった『アニー』をぜひ観ていただきたいです。
取材・文:咲田 真菜
公演名:丸美屋食品ミュージカル
『アニー』
脚本:トーマス ミーハン
作曲:チャールズ ストラウス
作詞:マーティン チャーニン
翻訳:平田綾子
演出:山田和也
出演:岡菜々子 山﨑玲奈(アニーWキャスト)
藤本隆宏 蒼乃夕妃 青柳塁斗 服部杏奈 早見優
公演日程:2019年4月27日(土)~5月13日(月)
会場:新国立劇場 中劇場
チケット料金:8,500円(全席指定・税込)※4歳未満のお子様の入場はできません。
※特別料金 5月8日(水)公演のみ 全席6,500円(税込)
【お問合せ先】
キョードー東京
0570-550-799
アニー公式ホームページ
http://www.ntv.co.jp/annie/
各種プレイガイド情報
キョードー東京
0570-550-799
http://kyodotokyo.com/annie2019
日テレゼロチケ
http://l-like.com/ntvzero/
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