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イキザマ3-石原壮馬-岩田華怜

RISU PRODUCE vol.21『イキザマ3』 W主演・石原壮馬、岩田華怜インタビュー

2018年12月5日(水)から12月9日(日)にかけて、東京芸術劇場シアターウエストで、RISU PRODUCE vol.21『イキザマ3』が上演される。2015年に初演、2016年に再演された作品が2年ぶりに劇場へ帰ってくる。

今回W主演を務める石原壮馬さんと岩田華怜さんにインタビューすることができた。初参加の二人を見守るように、本作3回連続の出演となる横関健悟さん(RISU PRODUCE)、谷口勇樹さん(RISU PRODUCE)、朝枝知紘さん、2回連続出演の吉川柳太さん、中尾太一さんにも同席いただき、お話を伺ったので紹介する。

――『イキザマ3』はRISU PRODUCEを代表する作品ともいえます。出演オファーを受けた時の気持ちとオファーを受けた理由をお聞かせください。

 岩田:私は今回出演されている重松隆志さんと前回の舞台で共演させていただきました。その時に重松さんからRISU PRODUCEの松本匠さんのお話を伺っていたのですが、直接の面識がありませんでした。オファーをいただいた時は「何で私なんだろう」と思いましたが、前回の『イキザマ3』のDVDを観てすごく感動しましたし、本当に皆さん一人ひとりが全力でやっている姿に胸を打たれて、役者としても人間としても変われるのではないかと思い、ぜひ出演したいと思いました。

出演が決まって松本さんに「どうして私だったんですか?」とお聞きしたら、松本さんが私のSNSやブログを見て、私が舞台好きだということをご存じだったんです。実際AKBを辞めてからは舞台の仕事が多くて、そういうところを見て下さっていたことがうれしかったです。

イキザマ3-石原壮馬-岩田華怜

石原:僕は昨年の夏、自分の劇団で応援団の作品をやりました。その時は「応援団ってめちゃくちゃ厳しいな」というイメージがあって、実際にYouTubeで応援団の動画を見ると、他の大学生や大人の社会とも違う、独特なものがあるなと思いました。

今回応援団の役が2回目、しかも本当にありがたいことに主演の野瀬 浩之という役で、初演のDVDを観ました。熱量がすごくて単純に感動しました。しかも今回は東京芸術劇場のシアターウエストという、とてもいい小屋(劇場)でこの作品が上演されるということで、これはありがたいお話をいただいたなと思い、絶対にやりたいと即答しました。

実際に稽古場に入ったら、作品を観ただけでは分からない濃さがありました。全員で追い込んで稽古をしているから、舞台上であの熱量が出せるんだと感じ、改めて参加させていただいてよかったなと思っています。

野瀬という役にしっかり歩み寄って、今回の舞台が終わった時にやり切ったと思えれば、今後芝居をしていく上で自分の中で変化があるのではないかと刺激的な毎日を送っています。

イキザマ3-石原壮馬-岩田華怜

――主演が変わったということで、雰囲気は変わりましたか?

横関:変わりましたね。僕は今回3回目の出演ですけど、新作みたいなイメージでいます。

朝枝:僕も全く別の空間に感じています。主演が変わることによって、それぞれ違うアプローチをしますから、全体としても違う空間になっていると感じていると思います。

――お二人の役どころを教えてください。

 石原:僕は野瀬 浩之役ですけれど、ずっと心に抱えているものがある人で、応援団の応援ライブを見て興味を持つんです。一緒に入団する宮本や岩田(松本匠)はもともと応援団が好きで「入団させてください!」という感じなんですが、野瀬はそこまでではない。

物語の後半まで野瀬は葛藤を抱き続けるのですが、応援団の仲間と過ごしていく中で、まわりに心を開くようになり、最終的には心に抱えていることを打ち明けます。作品を通して、野瀬の成長が垣間見えると思います。

――イメージとしては、すごく繊細な男性なのかなと思うのですが……

石原:僕も演じていて本当に繊細だなと思います。だからすごく難しいですね。僕は1年生から4年生まで演じるので、応援団としての技術的な変化と同時に心情的な変化も見せなければいけません。そこが難しいし、肝だと思っています。

岩田:私は宮本 由加里という、女の子一人だけで入部する役です。宮本は小さい頃から何かに一生懸命な人に憧れがありました

今回明治大学で、本物の応援団の練習に参加させてもらったんです。ここの稽古場もきついなと思っていましたが、本物は5倍きついと思いました。そこに女の子一人で入るというのは、相当な精神力と意思がある子だなと思っています。

私も負けず嫌いだし、みんなができるなら私もできると思い込むところがあるので、宮本と似ています。岩田華怜から見たら宮本はまっすぐで迷いのない女の子なので本当にリスペクトできるし、そういう部分を演じきれるようにしたいです。

――役と一体化するのではなく、尊敬できる存在として見ているんですね。

岩田:私はいつもそうなんです。自分の役と一体化するのは本番が始まってからで、稽古期間は役が常に私の横にいて励まし、引っ張ってくれるような感覚になることが多いです。今は宮本に近づけるように頑張っているところで、たぶん通し稽古が始まって小屋入りした頃には、私の中に宮本が入ってくれていると信じています。

――役作りはどのようにされていますか?

 石原:応援団の演舞の部分は練習次第なので身体づくりから入りますけど、野瀬の繊細さを出すのが難しいです。繊細さには、自分にあるものとないものがあると思うので、野瀬が心に抱えているものは僕の中にはないからです。でも知らなければ何も出せないので、映画を見たりして参考にできるものは参考にしています。

あとは立ち姿や座り方など、細かいところを意識しています。気を抜くと普段と同じ動作になってしまうので、野瀬の性格だったらどう座るかとか、結構気にしています。

岩田:特に自分で何かしている役作りはあまりないですね。この環境にいる時点で皆さんのパワーがすごいので、自分を引き上げてもらっている感覚があります。

こんなに女の子に会わなかったことってあったかなと思うくらい常に男性に囲まれた生活ですが、昔から男っぽいところがあるので、この環境がとても居心地がいいです。それをそのまま舞台上で出せればいいなと思います。

でもこんなに「押忍!」という日がくるとは思わなかったです。役作りとはちょっと違いますけど、普段から「押忍!」って言っちゃいます(笑)。

吉川:前回の経験からいうと1年ぐらい抜けないので、気を付けたほうがいいよ(笑)。

 (一同爆笑)

イキザマ3-石原壮馬-岩田華怜

――YouTubeでイキザマ3のプロモーションを見たのですが、演舞のシーンで手を左右に広げるのが大変そうですけど、いかがですか?

岩田:まだ稽古が始まって2週間ほどですが、筋力が上がったと思います。具体的なことを言うと、今までレモンを絞るのがきつかったんですけど、この間絞ったときにぶわーってすごい量が出たので、めちゃくちゃ筋力が上がったなと思いました。いいことづくしです(笑)。

石原:僕はやっていて気持ちいいです。もちろんきついですけど、きついのはみんな一緒ですし、みんなで頑張っている空間がいいですね。

――自分を追い込みたいタイプですか?

石原:どうせやるなら追い込みたいです。稽古の前に肉練というトレーニングをやるのですが、肉練をやる時は芝居をするよりも長かったりします。皆さんが想像するレベルを超えるトレーニングをしています。でも絶対に金持久力につながっていくので、先のことを考えて絶対に負けないという気持ちでやっています。

岩田:明治大学の応援団の人たちの稽古は、先ほど言ったようにもっとすごいものでしたが、応援する側なので皆さん笑顔なんですよ。「笑顔で!」と言われて笑顔を作ると、不思議なことに「あ、いけるかも」と思えてきます。笑顔になることで体も元気になるんだなと感じています。

――お二人が持っている応援団のイメージは?

石原:応援団を知らなかった時は、小学校、中学校の体育祭でやっているような「フレーフレー!」のイメージですね。でも応援団のことを知るとそんな生半可なものではないです。まず上下関係にびっくりしましたし、応援団の文化を知ることで、すごいなと思いました。僕は22歳でちょうど大学4年生の人と同じ年齢なんですが、4年生の応援団の人は貫禄が違って22歳に見えないです。

――何歳ぐらいに見えますか?

石原:36歳です。(一同爆笑)

明治大学の方たちに稽古場に来ていただいたり、こちらから稽古場へ伺う機会もありますけど、4年生が後ろを通ると、自然に背筋がピンとなりますね。厳しい環境の中で生きてくると、得るものは他の人たちとは違うのだろうと思います。

岩田:私は小学校6年間応援団をやっていて、団長もやったことがありますが、実際の応援団を知ると、「こんなにすごいんだ!」と思いました。舞台を観に来て下さる人たちは、応援団に馴染みがないと思いますが、実際に明治大学の応援団の方たちを見ていると「台本にあるあのシーンだ」というのが頻繁に起きるんですよ。それぐらいリアルに台本も作られているし、決しておおげさではないということを言いたいです。

――初演、再演と出演されている皆さんは、応援団のイメージがどのように変わっていきましたか?

横関:最初YouTubeで応援団の演舞を見た時に「動画用のパフォーマンスかな」と思っていました。ところが実際に明治大学の練習に参加させてもらった時に、「やっぱりここまでやっているんだ」と改めて思いました。

谷口:最初は応援団とは無縁でしたし、暑苦しいなあというイメージがありました。ところが初演を終えて再演が決まったあたりで応援団にはまっている自分がいることを発見して、プライベートで応援団を見に行ったりしました。まわりには「チアを見ているんだろうな」と思われていると思いますけど(笑)。もう一度大学へ入ったら応援団をやりたいと一瞬思いましたが、「やっぱやれないな」と感じました。4年間続けることは本当にすごいと思います。

吉川:一番応援団に対する印象が変わったと思うところは、応援団の人たちは、自分たちだけで応援しているのではなく、いろいろな人を自分たちの味方につけて応援するために、笑顔で接しているんだということで、これは最近気付きました。

朝枝:最初に応援団と聞いた時は、体格がいい人たちがやる「ザ・体育会系」のイメージを持っていました。でも明治大学で僕を担当して下さった方は「高校時代は美術部だったんです」って言うんですよ。自分を変えたいから応援団に入っている人も多いらしくて、そういうのを見ていると胸に迫るものがありますし、清々しいの一言ですね。

中尾:僕は高校時代野球部に入っていて、その時は応援をしてもらう側でした。今回応援団の人たちが誰かを応援するために4年間厳しい練習に耐えていくことを知って「なんてすごいんだ」と思うと同時に、高校時代に応援してくれた人たちに改めて「ありがとうございました」という気持ちが芽生えました。

――作品の見どころと意気込みをお聞かせ下さい。

岩田:現在も伝統を守っている応援団の皆さんが過ごしている日常が、リアルに詰め込まれた作品になっていると思います。私は中学、高校時代にAKBでアイドルをやっていたということもあって、学生時代に部活動に打ち込む経験がありませんでした。今がまさに私の青春なんだろうなと思うくらい、毎日皆さんとつらいことも楽しいことも一緒に乗り越えているので、それが舞台からにじみ出ると思います。

いろいろな舞台がありますが、ここまで生で観てほしい作品はないなと感じます。観に来ていただいた皆さんの明日が今まで以上に鮮やかになる作品だと思うので、この機会を逃さず私たちの『イキザマ3』を感じてほしいと思います。

イキザマ3-石原壮馬-岩田華怜

石原:演舞のシーンは迫力があって、稽古で見ていてもグッとくるものがあるので、そこは見どころだと思います。実際に応援団をやっている人たちに「真似して頑張っているな」と思われたくないので、極限まで近づけたいし応援団の人たちに「すげーな」と思ってもらえるような何かを出せたらいいなと思っています。

作品に対して感じるものは絶対にあると思いますけど、観に来ていただいた人たちの胸に残るものがあって、観終わったあと余韻に浸ってもらえる作品になればいいなと思っています。

イキザマ3-石原壮馬-岩田華怜

――そういう作品にする自信はありますか?

石原:そうさせますよ! この作品を観て「変わりたいけど一歩踏み出せない」という人たちが、野瀬の成長ぶりを見て「自分も頑張ってみようかな」と思ってもらえたらすごくありがたいと思います。

取材のあと稽古風景を見せていただき、ピリッとした空気の中で繰り広げられる演舞からものすごい熱気を感じることができた。取材中の和気あいあいとした雰囲気とはガラッと変わり、出演者の皆さんが応援団員の顔になっているところが印象的だった。

取材・文:吉永 麻桔
撮影:MARIO

公演名:RISU PRODUCE vol.21『イキザマ3』
作・演出:松本匠
出演:石原壮馬 岩田華怜
松本匠 横関健悟 谷口勇樹
吉川柳太 朝枝知紘 中尾太一
千葉一磨 鈴木健斗 永吉悠人
植杉将也 東景一朗 青木涼
重松隆志

企画・制作:RISU PRODUCE

公演日程:2018年12月5日(水)~12月9日(日)
会場:東京芸術劇場 シアターウエスト
料金:全席指定席 一般5000円(前売り/当日共)
U22 3500円(前売り/当日共)
※身分証の提示をお願いします。
※U22のチケットはCoRichチケット、RISU PRODUCEのみの取り扱いです。

チケット取り扱い:
◎ローソンチケット
0570-084-003【Lコード:33931】
0570-000-407(10:00~20:00)
http://l-tike.com/
店頭販売Loppi(24時間販売/ローソン・ミニストップ)

◎CoRichチケット
PC:https://ticket.corich.jp/apply/93736/
携帯:http://ticket.corich.jp/apply/93736/
◎RISU PRODUCE risuproduce@yahoo.co.jp