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江守沙矢、独占インタビュー。ひとり芝居【汝-おんな-】より

江守沙矢、独占インタビュー。ひとり芝居【汝-おんな-】より

江守沙矢(えもり さや)

1988年10月15日、埼玉生まれ。女優。
Twitter : @saya_emori(https://twitter.com/saya_emori)
Instagram : @saya_emori(https://www.instagram.com/saya_emori)
映画「闇金ウシジマくんPart3」、ドラマ「とと姉ちゃん」など数々の映像作品から、舞台また大手企業の広告まで幅広く活躍。
Stagebookでは今年30歳の節目を迎え、記念公演「単独公演:ひとり芝居【汝-おんな-】」で魅せる素顔とその想いを伝えるために単独インタビューに伺いました。その麗らかな顔立ちと、どこか妖艶な女性の色気を併せ持ったような持ち味を持つ彼女の魅力に迫ります。

江守沙矢、独占インタビュー。ひとり芝居【汝-おんな-】より

ひとまず挑戦してみる。

ー 女優活動のスタートとは

江守 元々は芸能界を目指していたわけではなくて、美容の資格めちゃくちゃ持ってるんですけど、美容で生きてこうと思ってたんです。(専門学生時代に)病気をして、その状態的にというか、付き合っていかないといけない病気なので、美容のように断続的にずーっと疲労が蓄積していく仕事は難しいと言われてしまって。でも、私4年間それの為だけに勉強してきたんですよ。「えっ、」ってなって、何もすることがなくなってしまって・・・。ただ、とりあえず一旦休学とかもして、療養しながら資格を取りながら学校に行ってたので、その間になにかやることを探さなきゃって思っていて。でも、選択肢に何もなかったんですね。普通の会社員になるかと途方に暮れてた時に、学校の先輩がヘアメイクをしてて、なんか事務所が入る子探してるよと紹介してもらって。一つしか選択肢なくて。このタイミングで紹介されたことだから、折角だからやってみようって、巡り合わせかもしれないって思って始めたのがキッカケです。
だから、最初は「業界に入る」ってなった時、何をするかっていう選択を分けていなくて、なんでもとりあえず来たものやってみよう、挑戦してみようといろいろした中で、私の中で一番面白かったのがお芝居だったんです。

ー 今回は「お芝居」の中でも舞台を選ばれたわけですが、どんなお気持ちですか?

江守 やっぱり怖いですよね。生の目線と生の空気って。どうしてもその場にいないと分からないものだし、今までどんなに練習していたとしても、出てみたら、面白いだろうと思っていたものが違うというのもきっとあるだろうし、伝わるのかなぁとか、ちゃんとこう退屈してないかなぁとか、空気感を直に感じてしまうのが怖い反面、それがすごい面白みだなと思ってます。
舞台ってすごい生ものだと思っていて、同じことを演じていてもお客さんによって空気が変わるじゃないですか。いらっしゃるお客さんが違うから。なので、面白いなぁって思います。女優冥利に尽きるなぁって。

江守沙矢、独占インタビュー。ひとり芝居【汝-おんな-】より

30歳、女優としての決意。

ー なぜ単独公演という形でやることになったんでしょうか?

江守 私がちょうど今年30(歳)になるんですけど、いろんなことをやってるけど、女優ですっていうのを見せたいっていう気持ちで。見せるとしたらステージに立つとか、最初は映像を作ろうかって話もしてたんです。ただ、せっかくやるわけだし魅せるというものだったら来ていただいて生で観てもらうのが一番いいから(舞台)をやりましょうってなりました。単独というのは、当初私の頭には全然なくて、マネージャーが「単独やりましょう!」って言い出して、1人の私という人間が演じる何人もの役をきちんと観てもらえるから。ということで納得しました。

ー どんな内容の舞台になる予定ですか?

江守 イメージはできてるんですが、まだ台本の確定稿が出てないんです。まだまだ不確定要素は多いですね。ただ演出の方と方向性については話し合ってるので、基本的には安心してお任せしてます。

ー ご自身でも脚本について考えられたりするんですか?

江守 基本そこは(脚本・演出:成瀬広靖氏に)お任せしていて、出たものを噛み砕くのが私の仕事だと思っているので、そこに関してはそこまで。今回、「汝-おんな-」っていうテーマなので出てくるの全員が汝なんですよね。いろんな汝が出てきて。
こうゆう汝いますよねって企画の段階で話し合いはいっぱいしてます。こういう感じがいいんじゃないですか?とかはしてるんですけど、本に起こすのは演出にお任せしています。

ー 登場する汝の中には、ご自身と重なる汝も?

江守 どうですかね?今回の舞台で描かれる目線って女性目線じゃないんですよ。ここに(チラシを指差して)ト書きみたいなものがあると思うんですけど、これが結局振りになってて、ある同じ人の視点の汝なんですね。同じ人がいろんな汝を見たっていう、汝たちなんです。なので、女性的共感があるかっていうと、もしかしたらちょっと違くて。結局、汝って男性から見る汝と、女性が見る汝は、おんなじ汝なのに同じに見えないじゃないですか。私を見られたとしても、女性の方が見てる印象と男性の方が見てる印象って違うだろうから、今回の汝はどちらかといえば男性から受ける印象の汝なんですね。だから、私と重なるかって言われると私はどうしても女目線なのでわからないですね・・・。笑
ただ、見る人によってはそう見えるかもはしれないなって思っています。

ー 知っていただいてるファンの方々にも全く違う一面が見えそうな舞台になりそうですね。

江守 そうですね。笑
多分、観れると思います。楽しみにしていただければいいなと思います。

江守沙矢、独占インタビュー。ひとり芝居【汝-おんな-】より

生々しく、でも毒々しくなく。

ー 今後の決意としての公演でもあるわけですが、特にこだわられたポイントなどはありますか?

江守 今回は、劇場も小さいので観客ととても距離が近く、表情も細部まで見れるかと思いますので、より生々しいなという感じにしたくて。うわっこうゆう人いるな〜とか、なんかこう「よく見たら俺の周りにもいるかもしれない、こんな奴」って思ってもらえたらいいと思っていて、私を見て!っていうよりは、この劇場で見かけた汝を楽しんで欲しいなと思うんですよね。私の演技の幅とかっていうよりは、観た上で幅が出てればそれは嬉しいんですけど、何よりリアリティ、"生々しさ"が一番出せたらいいなと思ってるところですかね。

ー 確かに、チラシのコピーひとつにしても生々しさは感じますね。

江守 生々しいけど、毒々しくはしたくなくて。だから、本読んだあとのモヤっと感はないようにはしたいなと思ってます。なんて言葉で表現したらいいのか難しいのですが、観終わった後のスッキリ感は欲しいと思っていて、だからここ(チラシ)から受ける印象って結構毒々しいと思うんですけど、生々しくも毒々しくない舞台にするつもりです。観て、胸焼けはして欲しくないから。

江守沙矢、独占インタビュー。ひとり芝居【汝-おんな-】より

ー 観ていただく方に向けてメッセージをいただけますか?

江守 私も、ひとり芝居に挑戦するのが初めてなので、すごく不安な要素はたくさんあるんですけど、ステージと距離感はすごくちかいので一体感が生まれると思うんですよね。なので、演劇に触れてない人でも観れるものにしたいなと思っていますし、逆にお芝居が好きな方でも、ひとり芝居って特殊で、普通の大きなステージの舞台とはまた違ったステージだと思うので。とにかく、いろんな方にこの舞台に触れて欲しいですね。広くいろんな人が観ても、ちゃんと楽しめるようにしていきたいと思います。

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最後に、「すごいプレッシャーなんですよ・・・。笑」と言いながらも、とても人当たりがよくお話もすごく楽しそうに話していただきました。ひとり芝居【汝-おんな-】、本公演を楽しみにしたいと思います。

取材・文:尾中力也
撮影:川端一生

江守沙矢 単独公演:ひとり芝居 【汝-おんな-】

日程
10月26日(金)20:00〜
10月27日(土)14:00〜/19:00〜
(全3公演)

場所
Com.Cafe 音倉
東京都世田谷区北沢2-26-23 B1F

予約
yoyaku@otokura.jp に 公演名/日時/名前/電話番号 を明記して送信してください。
先着入場整理番号発行(自由席)