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Red Hot and COLE

吉沢梨絵、真瀬はるか 爆笑インタビュー! ミュージカル『Red Hot and COLE』は笑いも期待できる!?

劇団四季に在団中はミュージカル『マンマ・ミーア!』『コーラスライン』で主要な役を演じてきた吉沢梨絵さん。そして宝塚歌劇団で男役として活躍し、退団後は『キャッツ』などミュージカルを中心に活動をしている真瀬はるかさん。「ブロードウェイショウケース」シリーズ第3弾の『Red Hot and COLE』に出演する二人にインタビューを行うことができた。

サービス精神旺盛の吉沢さんが話を盛り上げ、それに上手く乗る真瀬さん。爆笑の連続となったインタビューの模様をお伝えする。

――今回の作品に出演が決まった時のお気持ちをお聞かせください。

吉沢:ゆみこさん(彩吹真央さんの愛称)や(彩乃)かなみちゃんは、共通の友達を通じて友達だったり、お互いに舞台を観たりして知り合いでした。共演してみたいと思っていたので、それが叶ってうれしいです。「共演したい」と思っていてもなかなか叶うことはないですからね。

真瀬さんのことは初めて知って、(真瀬さんのほうを向いて)ごめんね、勝手にいろいろ調べたんだけど(笑)。私がいた故郷(劇団四季)の舞台に出演されていることを知って、すごくご縁を感じました。

稽古に入ったら演出の(小林)香さんが、どうして今回のメンバーを集めたのかが分かりましたね。正直言って踊りだけでもダメだし、歌だけでもダメ。率先していろいろなことをやる、お芝居も前のめりにやれる人たちばかりで暗い人がいないんです。大変な稽古場にいるとは思うのですが、集まったキャストが面白いから日々楽しくやれていると感じています。

真瀬:最初お話をいただいた時に共演するメンバーの方たちを見て、入れてもらえるのならやってみたいというのが、出演を決める大きな要因になりました。本当に幸せでいっぱいなので、皆さんからいろいろ勉強したいと思っています。

屋良さんをはじめ、先輩方がすごく柔らかくオープンでいてくださるから、チャレンジしても恥ずかしくないんです。「いろいろ出していいんだよ」という受け皿がバッチリの状態なので、すごくやりやすくてメンバーの皆さんに助けられています。

――キャストの方々が何役も演じるところが面白いと感じました。製作発表会見で皆さんがおっしゃっていましたけれど、吉沢さんの引き出しの多さにびっくりするということですが……?

吉沢:いやいや、そんなことないですよ。実はこのシリーズの第1弾で、私は14役やったんです。なんとなくその時に、このシリーズのスタイルというか、空気感が分かった気がしたので、脚本を開いた時、最初に登場する社交界の女主人の役を私にふったということは「かませ」ということだなと解釈しまして(笑)。面白い役なんですよ。

「この作品はこうやって楽しむんだ」というのをお客様にお届けするのは舞台の序盤だと思うので、いろいろなことをやってみたんです。香さんは私を自由に放牧してくれるので怖くないというか、恥をかいても「こっちじゃなかったか!」と言えるのは、香さんとの信頼関係があるからです。

それでいろいろやっていたら、見ていた共演者の皆さんが「この人、序盤からすごいな」と思ったのかもしれないですね。たいていは稽古が進んだあたりでいろいろやっていくものですが、私は稽古が始まってすぐにスタートダッシュをかけましたから。でも今回共演者の皆さんが私のことを取り上げてくださったことに、私自身はびっくりしています(笑)。

この作品は役から役へジャンプしていくのがすごく面白いんです。その上できちんとコール・ポーターのストーリーがあって、いろいろな人がいろいろなことをやっている楽しさが醍醐味になると思うので、それをみんなで楽しくあれこれやっている感じです。

――真瀬さんは今回のようにいろいろチャレンジできる演出は経験がありますか?

真瀬:宝塚にいた時は、大勢で舞台上に出る場面で、演出家が指示していない設定を自分で作ったりして自由にやっていたことがありました。最終的に演出家から「面白いからそれでいこう!」と言われたこともありましたね。

宝塚時代、楽屋では余興番長だったのですが(笑)、大人になるということは悲しいもので、まわりの様子を伺いながらいろいろ考えるようになりました。このシリーズは初参加で最初のうちは皆さんの様子を見ながらでしたが、梨絵さんがいろいろやってくださったので「そっか! いいのか!」と最近思えるようになりました。

吉沢:良かったよ、そういうふうに言ってくれるのなら。

真瀬:先日も舞台でメインの方が歌っている真ん前を、梨絵さんはある姿できれいに通行していくんですよ(笑)。その姿だけでも皆さんの笑いをもっていくのは分かっているのに、さらに真ん前を通行するという……。

吉沢:それは結局なくなりましたけどね(笑)。

真瀬:でも「さすがにダメだよ」と言われるまでやっていい現場だということが分かって、楽しくやらせていただいています。

――真瀬さんが吉沢さんを意識していることがよく分かるエピソードをお聞かせいただいたあとの次の質問が「お互いに意識していることはありますか?」なんですが……(笑)。

吉沢:意識していること、あるある! 真瀬さんはちょっとポーズをとっても目が釘付けになっちゃうぐらい、動きの一つひとつが美しいんですよ。これは1年や2年でできることではないなと思います。

私の場合、メロディーラインはなんとなく記憶できるけれど、踊りとなると覚えるのが大変なんです。動くのは決して嫌いではないんですけどね。踊りの一つひとつを美しくつないでいくところに、真瀬さんは美学を絶対にお持ちだと思います。私も劇団四季にいたので、いろいろな人を見てきたと思うけれど、女性的で美しい動きなのに、ものすごくアグレッシブにできるというのは男役をやっていると幅が広がるよね、ゆみこさんを見ていても思うけれど。

真瀬:音域やそういうエネルギーは広がりますね。

吉沢:この辺は少し男っぽく魅せたほうがいいんだなとかいうところだと、私が見ていても「キャッ!」ってなるし、楽しいです。歌もすごいから、『ガラスの仮面』の月影先生じゃないけれど、楽しい意味で「将来おそろしい子」って思いました(笑)。

――こんなにお褒めの言葉をもらって、いかがですか?

真瀬:実は踊りに関してはコンプレックスを持っていて、踊れないと思って生きてきたので、そんなふうに言っていただいて……。

吉沢:そう思っているからこそ、あれだけ細かくできるのかもしれないね。

真瀬:そうかもしれないです。それこそ宝塚は3歳からバレエをやっている子も多かった中に私は経験が浅いまま入ってしまいました。梨絵さんにそう言っていただけて、ちょっとだけ生きてきて良かったって思いました(笑)。

吉沢:私は本気でそう思いましたよ。今回恐れ多くも屋良くんと真瀬さんと私の3人だけでちょっとタップっぽい踊りを踊るところがあるんですよ。それは現場でも笑いのタネになっていて。

真瀬:なってない、なってないです!

吉沢:私は「恥ずかしいけれど、ビックチャンスだ!」と思って、本当にお二人がかっこいいから、少しそこに染まれたらいいなと。こういう役を振ってくれるのは香さんぐらいなので、このシリーズでけがをしないように頑張れたらと思っていますね。

――バイタリティーあふれる吉沢さんを、真瀬さんは女優としてどう意識していますか?

真瀬:私は梨絵さんにも直接お伝えしたことがあるのですが、梨絵さんが出演された作品の中で一番印象に残っているのがミュージカル『レディ・ベス』 なんです。

――『レディ・ベス』! 本当に素晴らしかったですよね!

真瀬:ですよね! 一度別枠でそれについて語りましょう!(笑)。

あの作品で梨絵さんがメインで登場されたのは1~2場面だったと思うのですが、その時の印象があまりにもビビットすぎて、すごく印象に残ったんです。梨絵さんの歌は、細胞全部で歌っている感じがするんですよ。

――「細胞全部で歌っている」というのは、うまい表現ですね。

吉沢:(笑)こんなふうに言ってもらって、二人におごらなきゃいけないね! ビール持ってきて!

(一同爆笑)

真瀬:私はどちらかというと、オペラっぽいソプラノのほうが歌いやすいです。でも梨絵さんはどちらかというと地声というか、バーンと歌う方なので、私が今訓練しているところをやってのけてしまうんですよ。でも決して簡単にやっているのではないということは拝見していて分かりますから、「私もあんなふうにやりたい」と思いながら密かにどうやられているのか、観察しています。いつか地声の出し方をお伺いしたいと思っているんですよ。

――こういうお話をしていると3時間ぐらいあっという間にたってしまうので(笑)、次の質問をさせていただきますね。今回コール・ポーターの作品ということで、好きな曲をあげていただけますか?

吉沢:やっぱりミュージカル『エニシング・ゴーズ』の曲ですね。

真瀬:私もそうなんです。

吉沢:メドレーになっているところとかね。今回は(音楽監督の)岩崎廉さんバージョンにどれぐらいなっているのか分からないですけれど、『エニシング・ゴーズ』の場面は、無条件でガッと気分が上がります。

真瀬:出演者が8人しかいないのに、ボリューム感がものすごいですよね。

吉沢:『エニシング・ゴーズ』では女性3人で歌うところがあるんですけど、コーラスワークがとんでもなく美しいんです。3人の声がバチーンとはまっていて。あの場面はどうぞお楽しみにという感じです。

真瀬:声質はみんな違うんですけどね。

吉沢:違うんだよね。

真瀬:全然声質が違うのに、ハーモニーになると勘がいい人たちばかりなので声が集まってしかも広がる感じですね。

吉沢:6人ぐらいで♪ララララ♪とやるところとか、最高だよね。

――作品への意気込みとファンの皆さんへメッセージをお願いします。

吉沢:今、稽古が序盤から中盤にかかっているあたりですが、この作品が目指しているところは相当高みにあると思います。課題さえもまだ見えない状態の中で、みんなのモチベーションを支えているのは、相当クオリティーの高い作品になり得るという希望を持っているからだと思うんです。なるべくそこに到達して、さらに一歩超えるところにいきたいです。そしてお客さんが入った時にバーンと変わる何かがあると思います。

コール・ポーターさんの素晴らしい音楽とそれを生み出すのは並大抵のことではなかったという彼の人生のいろいろを、音楽と私たちのユーモアを織り交ぜながら、面白い感じになったらいいなと思っているので、どうぞ応援しつつ楽しみにしていただけたらなと思います。

真瀬:今回一番思っているのが、たくさんの役を色濃くビビットに演じ分けていかなければいけないので、少数制ということもあり責任重大だということです。その責任をちゃんと消化しきれるように頑張りたいです。また少ない人数なのに、玉手箱のように次から次へとみんながいろいろなものを出してくれます。コール・ポーターの曲もしっとりしたものからアップテンポのものまでいろいろな曲調のものが出てくると思うので、そこを楽しみに観にいらしていただけたらうれしいなと思っています。

Red Hot and COLE

取材・文:咲田 真菜
撮影:川端 一生

【作品名】ミュージカル『Red Hot and COLE』

【翻訳・演出】小林香
【訳詞】高橋亜子 【音楽監督】岩崎廉 【振付】加賀谷一肇

【出演】屋良朝幸/
矢田悠祐 吉沢梨絵/彩乃かなみ 木内健人 真瀬はるか/彩吹真央・鈴木壮麻

【演奏】堀倉彰(キーボード) 深水洋(ドラム) 三枝俊治(ベース)

日程:2019年3月1日(金)~17日(日)
会場:銀座 博品館劇場
料金(全席指定・税込)
9,000円

公式ウェブサイトはこちら
https://www.stagegate.jp/stagegate/performance/2019/red_hot_and_cole/index.html

【チケットに関するお問合せ】
チケットスペース 03-3234-9999

【チケット取り扱い】
チケットぴあ
0570-02-9999(Pコード:491-203)
http://w.pia.jp/t/rhac(チケットぴあ店舗、セブン-イレブンで直接販売)

ローソンチケット
0570-000-407(Lコード:32154)
https://l-tike.com/redhotandCOLE/(ローソン、ミニストップ店内Loppiで直接販売)

イープラス
https://eplus.jp/red_hot_cole/(ファミリーマート店内Famiポートで直接販売)

【大阪】2019年3月21日(木・祝) 森ノ宮ピロティホール
【静岡】2019年3月24日(日) 富士市文化会館ロゼシアター 大ホール
【愛知】2019年3月27日(水) 刈谷市総合文化センターアイリス 大ホール